最愛の人との永遠の別れ

私事なのですが、先週親代わりに育ててくれた叔母が他界しました。３年ほど前に癌が見つかり、末期状態と医者から宣告されていたのですが、

 「もうちょっと人生楽しむわな」

と言って、驚異的な生命力で頑張ってきたのですが、とうとう天国に旅立っていきました。本人の希望もあって親族葬のような形で告別式が行われました。叔母は親族の潤滑油のような存在でしたので、いつもは妙にハイテンションな我が一族も全員が溢れる涙を抑えることはできませんでした。

もう引退していましたが、叔母は大阪では「たこせん屋のおばちゃん」として大変親しまれた人で、きっと他界したことを、たこせんを親しんでくれていたお客さんたちが知れば大変なことになっていたかもしれません。「たこせん」というのはたこ焼きをソースを塗ったみりんせんべいに挟んだ食べ物で、大阪下町版のファストフードなのです。叔母の店はこの「たこせん」の元祖と呼ばれていて、地域の人たちだけでなく、多くの芸能人たちの間でも親しまれていました。

などと書くと立派な店のようですが、普通の昔懐かしい駄菓子屋だったのです。

そんな叔母の口癖は

「無駄な事はするな」

というものでした。母の日に花を贈ると

「そんなお金があれば本でも買って勉強しなさい！」

と叱られました。 結婚してからは「本」が「子供たちを美味しいもんでも食べにつれていきなさい・・・」に変わりましたが・・・。

おかげで、学生時代の私はアルバイトをしなくても資料や本代などは叔母が面倒をみてくれたために、学生生活に専念することができました。もちろん、そんなに優秀な学生ではなかったので、学部学生時代はずっと硬式野球に明け暮れていましたし、 院生時代は調査と称して海外を旅して回っていました。しかし、その経験が私の今をつくったと思っています。

それなのに、私は叔母に何も恩返しをすることもできずに叔母と永遠の別れをすることになってしまいました。これほど自分が情けないと感じたことはありません。しかし、亡くなる少し前に見舞いに行ったときに叔母は私の結婚式にハワイに連れて行ってくれたのは本当に嬉しかったと言ってくれました。

きっと、私が後悔していることを気遣ってくれたのだと思いますが、たった一回のハワイ旅行だけでも連れて行くことができて、思い出をつくることができたのは、僅かですが叔母にとって良かったんだと信じたいと思います。母から聞いたところによると、ハワイに言ったことを楽しそうに他人によく話をしていたとの事でした。

だめですね・・・まだ、叔母の事を考えると動揺しています・・・

妙な文章を綴ってしまい、恥ずかしいですが、早く気持ちを切り替えたいと思います。

コメントやｎｉｃｅをいただいたみなさまにお返事が遅れまして申し訳ございません。ぼちぼちと伺いたいと思います。

タグ：たこせん

コメント 7

お気持ちお察しいたします。


by COYOTE (2009-08-11 07:41) 

身近な存在を亡くすことは、
とても辛いですよね。。。
by gyaro (2009-08-11 12:03) 

何か通じるものがあるのかも。。。
今朝の夢。。。
以前から会いたかった人と夢で合うことができました。
それはそれは仲良しだった近所のおばさん。
最後を看取れなかった私のこの悲しみと悔しさの思いがやっと、天国に通じた気がしました。

ご冥福をお祈りいたします。
by mee (2009-08-11 15:26) 

心中お察し申し上げます。
by 水郷楽人 (2009-08-12 15:37) 

COYOTEさん
gyaroさん
meeさん
水郷楽人さん

ありがとございます。
ご心配をお掛けいたしましたが、日常の生活に戻りました。
しばらくブログを休ませていただいておりましたが、再開させていただきます。
また、宜しくお願い致します。
by TANIGUCHI (2009-08-13 16:38) 

逆縁の親不孝をしない為には、必ず通らなければならない道ですが、辛いですよね。
それにしても、本当にスバラシイ哲学を持った叔母様で、ご冥福をお祈りいたします。
by SAKANAKANE (2009-08-15 16:09) 

SAKANAKANEさん
女性なのに侍のような叔母でした。
by TANIGUCHI (2009-08-17 22:41)